三菱重工業は世界最大のクルーズ客船運航会社、米カーニバル・コーポレーション向けに大型旅客船を2隻建造中だが、その納期が遅れている。 カーニバル傘下のアイーダ・クルーズに納入する2隻は長崎造船所で建造している。2番船の船体部分は完了したが、 同時建造している1番船の引き渡しが大幅に遅れている影響で、人員を2番船に割くことができない。 1番船は当初、2015年3月に納入する予定だったが、設計変更や資材調達の難航、内装の仕様変更などで、 3回納期を延期した。今月中旬にイタリア当局の最終検査を受けた後、引き渡す。 1番船は今年に入り、船内で段ボールなどが燃える火災が3度起きた。長崎県警大浦署は放火の可能性があるとみて調べている。 放火というのは、たとえ被害は軽微でも、より深刻な事態だ。9年ぶりの大型客船の建造は御難続きなのである。 ●客船事業を造船の柱に 三菱重工は11年、カーニバルから大型