日本の文化は、夏の高温多湿の亜熱帯性気候の暑さを防ぐのが第一で、冬の防寒にはさほど力をいれていないところがあります。 冷房のない時代ですので、数奇屋造りの家なども夏の暑さを防ぐ事に重点が怒れて、防寒は二の次の構造になっています。 着物も夏は透けて見えるような絽や紗の着物を着たり、いっそ裸で暮らしたりと、夏の暑さを防ぐ工夫が主で、冬は重ね着をして火に当たればよいという思想です。 ですので、防寒の基本は重ね着でした。 肌襦袢の上に半襦袢か長襦袢を着、厚い裏地をつけた袷(あわせ)を重ね、その上に中に綿を入れた半纏を着ます。 下半身には股引を履いて足先は厚手の足袋で防寒をします。 手は手袋などは使わず、ふところ手で着物の中に入れてしまいます。 この他、首に襟巻を巻いたり、顔に手拭いでほっかむりをしたり、ズキンをかぶったりする事もありました。 しかし、あまり厚着をすると野暮だという意識もあったので、