第2章で見たように、今時金融危機前までは輸出主導による戦後最長の景気回復をしていたにもかかわらず、日本経済の世界におけるシェア(比率)は低下している。我が国GDPの世界に占めるシェアは、一時は米国に次いで約18%を占めていたが、1995年以降年々低下して2008年には8%にまで落ち込んでおり、今後もさらに低下を続けることが見込まれる2。IMFは、2010年には中国が名目GDPで日本を抜くと予測するなど、日本の「世界第2位の経済大国」としての地位も残りわずかとなっている3。また、国民の豊かさを示す指標の一つである1人あたり名目GDPも、OECD加盟国中で3位(2000年)から19位(2007年)と急落している。IMD(国際経営開発研究所)の国際競争力ランキングにおいても、日本の総合順位は調査が開始された1989年から5年連続で1位だったものの、その後徐々に順位を落とし、1998年に20位にな