三菱重工が、客船事業で2000億円近い損失を出す事態に陥っています。納期は幾度も先送りされ、短期間に3回もの不審火が発生。三菱重工でいま、何が起きているのでしょうか。大型客船を建造可能な日本唯一の企業でもあることから、「日本の造船業の未来」という意味でも注目が集まっています。 瀬戸際の“三菱ブランド” わずか3か月前、2015年10月30日に行われた同年度第2四半期決算の説明のなかで、三菱重工の宮永俊一社長は混乱する客船建造について、「当社のレピュテーション、ブランドを守るため、覚悟して進めている。契約したことは最後まで完璧にまっとうする」と話しました。しかし、その言葉を裏切るかのように以降、同社がドイツ・AIDAクルーズ向けに長崎で建造中の客船「AIDA prima」(12万5000総トン、3250人乗り)では、3回におよぶ不審火事件が発生。レピューテーション(名声)は地に落ちてしまいま