(1) 概要 パキスタンは、1億4,500万の人口を持つイスラム世界及び南アジア地域の大国である。パキスタン経済においては、農業部門が2003年度で国内総生産(GDP:Gross Domestic Product)の23%、就労人口の42%を占める主要産業であるが、天候に左右されやすい脆弱性を有している。同国は、一人当たり国民総生産(GNP:Gross National Product)が約652ドル(2003年)の開発途上国であり、開発需要は多いが、恒常的な財政赤字と貿易赤字を抱え、外国援助に大きく依存した経済となっている。 2000年、史上最悪の干魃の影響により産業・経済界に多大な損出を受けながらも、ムシャラフ政権は、国際通貨基金(IMF:International Monetary Fund)主導の緊縮財政を誠実に履行するなど、疲弊した経済の再生に取り組み、国際金融機関やドナーの信頼