東京都と茨城県を結ぶ新交通システムの「つくばエクスプレス」を使って、12月1日から売電事業が始まった。走行中の列車がブレーキをかけた時に発生する回生電力のうち、他の列車の運行や冷暖房などに利用した後の余剰分を電力会社に販売する。一般家庭で600世帯分に相当する供給量になる。 「つくばエクスプレス」は東京都心と郊外をつなぐ高速鉄道で、60キロメートルの路線を1日あたり約200往復する。全車両に回生ブレーキを搭載して、走行しながら発電できる体制を整えている(図1)。 列車で発電した電力は他の列車に供給するほか、駅の冷暖房や照明などに利用してきた。列車や駅舎で使用する電力量のうち12~13%を回生ブレーキによる発電でまかなっている。 それでも余剰分が出ることから、電力会社に売電することにした。鉄道会社で回生電力を売電するのは公式には初めてのケースとみられる。供給先は東京電力になる。 回生電力の余