まえがき 今、世間では「ブラック企業問題」が話題になっている。就職活動にのぞむ学生たちは、「ブラック企業にだけは入るまい」と見分け方を必死に探している。 だが、「ブラック企業」の語源を知っているだろうか? 実は、「ブラック企業」という言葉を生み出したのは、本書のテーマである、IT労働者たちである。 「ブラック企業」という言葉は、2005年頃、IT労働者たちが、インターネット上にスラング(悪口)として書き込みはじめて、広がった言葉だ。そして、2010年頃に、就職活動生たちが使いはじめて、爆発的に広がった。 なぜ、IT労働で広がったのかというと、IT業界の働かせ方は、異常なまでに過酷=「ブラック」だったからだ。 当時から、IT業界は「35歳定年」などと言われた。何日も会社に泊まり込むのは当たり前。土日でも呼び出されたら働かなければならない。働きすぎて死んでしまったり、鬱病にかかることも多く、結
![『IT企業という怪物 組織が人を食い潰すとき』(著者:今野晴貴/常見陽平)~第1章 未来の芽を摘む「IT労働」より~() @gendai_biz](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/372489352b9b4007716378b7b6e9d2b937a5088a/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fgendai-m.ismcdn.jp%2Fcommon%2Fimages%2Fv3%2Fmeta%2Ffb_ogp-image.png)