風力や太陽光などの再生可能エネルギーは、出力が変動しやすいという欠点がある。南極ではこの問題が日本国内以上に深刻だ。日立製作所が開発したシステムは、風力発電を使って水素を生成し、これを別の物質と化合させて液体として蓄えることで長期的な出力変動の課題を解決した。 先進国や発展途上国、産油国など、国や地域を問わず再生可能エネルギーが注目を集めている。石油への依存度を下げる他、エネルギーコストの引き下げやCO2(二酸化炭素)排出量の削減などさまざまな目的がある。 南極でも再生可能エネルギーが注目を集めている。どのような理由だろうか。 南極の昭和基地は外部から電力の供給を受けておらず、ディーゼル発電機を利用している。発電機用の燃料は全て南極観測船「しらせ」で輸送している。ところが、しらせの輸送量に占める燃料の割合は約5割に達しており、今後の観測規模拡大には対応できないという。そこで燃料を輸送する必