シャルル・ド・ゴールは1890年11月22日、北フランスのリール市に生まれた。先祖は13世紀に遡る下級貴族(註1)といい、父アンリは医学・理学・文学の3つの博士号をもつ碩学、熱心なカトリック教徒で、イエズス会系の中学校で歴史を教えていた。祖父ジュリアンもまた著名な歴史学者であり、シャルルは幼時から歴史に興味をおぼえ、祖国フランスの名誉と伝統に誇りを抱くようになった。14歳にして戯曲を創作、長じてもフランス・ドイツの文学・哲学書を愛好した。 註1 祖先ジャン・ド・ゴールは百年戦争の「アジャンクールの戦い」の際、イングランドの長弓隊に対抗して機動戦術をとるべきことを進言したが容れられなかったという。また、ド・ゴールの曾祖父はルイ16世の法律顧問をつとめていてフランス革命の時に投獄されたことがあるともいう。 ド・ゴールは最初は伝道師を目指していたともいうが、それよりも自身の身長2mという立派な体