先日、政府は名目GDP600兆円に向けた成長戦略「日本再興戦略2016」(案)を公表した。その中で、人工知能(AI)やロボットの活用による「生産性革命」をひとつの課題に掲げ、第4次産業革命の実現に伴う新たな有望成長分野の創出を打ち出している。 具体策の例として、東京五輪・パラリンピックが開催される2020年には無人自動走行による移動サービスや高速道路での自動走行が可能となるよう、2017年までに必要な実証を可能とする制度やインフラ面の環境整備を行うとしている。 先週の本欄「本当に「労働力」は不足するのか?-AIとロボットによる労働代替化の行方」では、人口減少時代の経済成長のためには、人工知能やロボットによる労働の代替化は不可欠だが、それらが知的分野を含む社会の広い範囲におよぶと、多くの人の雇用や所得が奪われるのではないかと述べた。 同戦略にも、『技術や産業の変化にあわせて、人材育成や労働市