デストルドー(英語: destrudoまたはdeath drive、ドイツ語:Todestrieb (トーデストリープ))とは、ジークムント・フロイトの提唱した精神分析学用語で、死へ向かおうとする欲動のこと。タナトス(英語: Thanatos)もほぼ同義で、死の神であるタナトスの神話に由来する。 フロイトはTodestriebと対のようにLebenstriebという語を用いたが、日本語ではともに「死の本能」「生の本能(エロス)」と訳されることが多い。しかしながら本能には「遺伝的に組み込まれた行動パターン」という意味合いが強くTrieb[1]をそのように訳すのは誤解を招きかねない面があり、彼は本能(Instinkt)と別に、自我に対して何かに駆りたてさせる衝動という意味でTriebを使ったとされる。英仏訳でも誤りが指摘され、訂正が施されたが日本語訳ではまだ「本能」と訳されていることも多い。