今夏も暑く、涼を追う日々が続く。ふと、肝試しをした思春期を思い出すことがある。「霊感がある」とうそぶく同級生の迫真の怪談に、背筋を凍らせた記憶は笑えて懐かしい。だが、超常的な「霊感」に現実的な「商法」が加わると、印象はガラッと変わり、現実世界の醜悪さが漂う ▶安倍晋三元首相の銃撃事件を機に、再び批判が集まった「霊感商法」。商品に超自然的な霊力があるように思わせ、不当に高い値段で売り込む方法だ。全国霊感商法対策弁護士連絡会によると、昭和から始まった世界平和統一家庭連合(旧統一教会)による霊感商法は今も続いているという ▶「地獄だった」。6日付の本紙連載「残響」には、旧統一教会への献金で家庭が崩壊した2世信者の悲痛な叫びが記された。旧統一教会を巡る問題に対応するため、法務省や警察庁、消費者庁は18日、関係省庁連絡会議を開く。今こそ根を絶たねば、宗教の名の下に犠牲になる家族はなくならない。
デモ隊に向けて「静かに」と書かれたカードを掲げて無言の抗議を行う「静かな8月6日を願う広島市民の会」のメンバーら=6日午前、広島市中区(矢田幸己撮影) 今年の夏は例年にない暑い夏らしい。しかし、エアコンが普及してなかった戦争中の内地はもっと暑かったはずである。いや南方の島では新型コロナウイルスよりも恐ろしいマラリア、アメーバ赤痢などの伝染病が蔓延(まんえん)、治療や予防に必要な薬もワクチンも、いや食料や水さえもままならなんだのである。 くしくも今年は、太平洋の戦いでも最も激しい戦闘が繰り広げられたガダルカナル島の戦いから80年である。飢えと渇きと病に苦しめられた日本軍将兵はこの島を「餓島(がとう)」と呼んだ。それほど悲惨な戦いが原爆の悲劇ほど日本の若者たちに伝えられていないことが残念である。 原爆投下の8月6日と9日の間に、ガダルカナル島には海上自衛隊の護衛艦「きりさめ」が入港。現地ソロモ
隠れキリシタン末裔の怒り 親の墓参りにもろくに行かない不届き者なので、他人様がどんな宗教を信じようが関心がない。だから安倍元首相の銃撃犯の供述が旧統一教会への怨恨と報道されたことで、今や日本中が旧統一協会及びそれに関わった政治家をバッシングしているのを見て何だか変だなと思った。 長崎県の黒田成彦・平戸市長は「長崎新聞から統一教会との関係を尋ねるアンケートが届いた」とTwitterに投稿した。黒田氏は「(関係は)ないと答えるがまるで江戸期のキリシタン弾圧の踏み絵のようだ。隠れキリシタンの末裔である私は遺伝子的にこのような踏み絵行為は気持ち悪い」と極めてまっとうな指摘をしている。 「何だか変だな」と思ったのはこれだった。私たちは今、メディア、いや社会から踏み絵を迫られている。これは気持ち悪いことではないか。 共同通信が国会議員712人に旧統一教会への関与を聞いたところ、106人が関連団体へのイ
韓国軍が犯したとされる事件を取材するためにベトナムへ 2014年2月の渡航から4カ月後の同年6月、私はフーイエン省の省都トゥイホア市に初めて降り立った。 前回訪れたビンディン省タイソン県とクアンナム省ディエンバン県のフォンニ村・フォンニャット村、そしてハミ村での聞き取り調査を終え、日本での仕事のためいったん帰国をしていた。帰国後に聞き取りをした資料をまとめ、金賢娥氏の書籍などと照らし合わせることで、少しずつだが、ベトナム戦争中に韓国軍が犯したとされる事件のいくつかが見え始めてきた。そして今度はフーイエン省で聞き取りをしようと思い、再び渡越したのだ。 通訳は「お義母さんが田舎から来て、子どもの面倒を見てくれているから大丈夫」と、いつものダオが同行してくれた。フーイエン省は、ビーチリゾートで有名なニャチャン市があるカインホア省の北に隣接している。ビンディン省に次いでマグロの漁獲量が年間約400
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く