「負ければニュースになる」ほど強い藤井聡太五冠。果たして史上最年少名人記録は更新されるのか? 現記録保持者の谷川浩司・十七世名人が、さらなる進化を続ける藤井将棋と過酷さを増す将棋界のいまに迫るとともに、棋士・将棋界にとっての「名人」とはなにかを自らの経験も含め明かした著書『藤井聡太はどこまで強くなるのか 名人への道』。注目の章をピックアップ連載! 常に最善手を求める地力勝負 羽生さんに逆転勝ちが多かった理由の1つは、20代前半、タイトル戦という大きな勝負の場でも、あえてさまざまな戦術を試していたところにある。 例えば、不利と言われている序盤作戦での常識を疑い、どれくらい不利なのかを自ら実戦で体験してみる。そして、そのマイナス程度が十分に理解できれば、次はもう指さなかった。そうした試みについて羽生さんは、「大事な対局で試みなければ意味がない」とも語っている。 棋士仲間や将棋ファンが注目するタ
![藤井棋士の“勝ち”がすごいワケーー相手の得意戦法を避けない常に地力勝負(谷川 浩司)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/e039f5d3c3fcb5b3bcb34be36058c53266ed86ea/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fgendai-m.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2Ff%2F0%2F1200m%2Fimg_f0b30163456d06e5afadee78d179d852184596.jpg)