金曜日の夕方は 東大の授業を受けてみよう 東京大学の教養学部では「高校生のための金曜特別講座」と銘打って、年間22~23回、高校生向けに公開講座を開いているそうだ。しかも、一般社会人でも参加可能で参加費は無料。 さてさて、いったい高校生向けにどんな授業をしているのか。これまでの講義をまとめた本書を読んでみてビックリした。すっごくレベルが高いじゃないか! たとえば「熱血編」所収の「『タイム・マシン』の歴史主義的解釈」では、SF作品の『タイム・マシン』の内容を、後期ヴィクトリア朝のさまざまな思想──啓蒙主義、マルクス主義、ダーウィニズムなど──の表れとして読み解いていく。一見、荒唐無稽な「西暦80万2701年」という未来世界を描いた小説が、じつは書かれた時代の思潮や世相と密接にリンクしていることを解き明かしていく授業は、知的興奮度満点だ。 「純情編」にある「英語達人の法則」は、新渡戸