抗がん剤に関しては,様々な情報が氾濫していますが,特にネット上では「抗がん剤は効かない」というタイトルをよく目にされることも多いと思います。また,「抗がん剤は効かない」というタイトルの書籍もよく売れているようです。 また,化学療法では,「体もボロボロになり,仕事もできなくなる。」というマイナス点ばかり強調している書籍やネット情報も数多くあります。 患者の立場としては,「抗がん剤が効かないなら,無治療の方が,副作用に苦しむこともなく,よい選択ではないのか?」と考える人が出てきてもおかしくはないかもしれません。 しかし,化学療法における効果や副作用とはそのような単純に決められるものではなく,患者さんの状態や体質,腫瘍の種類によっても,大きく異なります。 たとえば,同じ種類のがんに罹っても,「転移があるか,ないか」「全身の状態はよいかどうか」「肝機能や腎機能は正常か」「白血球数の値は正常か」など