縁側と土間のある家 1941年築。曽祖父が戦時中に建てた家を、曾孫の松本遼太さんが再生させた。遼太さんにとっても、思い出がたくさん残っている家だ。 「古い家の再生を数多く手がけている建築家の宮田一彦さんにリノベーションをお願いすることにしました。残した柱の仕上げの方法や、壁や床の色、壁材にした大谷石など、細かいところまで僕と趣味が合ったので、設計はトントン拍子に進みました」 あまりに好みが近すぎて、松本さんが買った古いフランスの掛時計を、実は宮田さんも狙っていた、という偶然もあったそうだ。 「建具や縁側など、古い家ならではの味が残っているものは、なるべく残すようにしました。廊下だったところを土間にしたくらいで、実は間取りもほとんど変えていません」 天井を抜いて2階の床組を見せている。天井の木材に大工が書いた文字が見える。戦中の息遣いが今に引き継がれる。左側の壁には大谷石を使っている。照明器