南米の河川に生息する特定外来生物「ヌートリア」が京都市民の憩いの場、鴨川にじわり侵出している。鴨川を管理する京都府と京都市は、6月以降、タッグを組んで捕獲に向けた動きを本格化させた。カビパラに似たぼうっとした顔が「癒やされる」と評判で、鴨川では餌やりをする人が絶えない。そんなヌートリアの実態とは−−。【松井豊】 【ヌートリアだけじゃない】写真特集・外来種侵入 生態系崩れ在来種激減 ヌートリアは成獣で50〜70センチ、体重4〜5キロ。尾の長さは35〜50センチある。20世紀初めに上野動物園に初めて輸入され、39年から軍服に使う毛皮獣として日本各地で積極的に養殖された。しかし、終戦で毛皮の需要が落ち、養殖場が閉鎖。養殖されていた個体は自然界に放され、主に西日本に定着した。府内では北中部を中心に多くの目撃情報が寄せられている。 夜行性で、水辺の植物の葉や茎、地下茎を食べ、比較的流れが緩やかな