お経のリズム たとえば宗教の基本は反復です。意味のわからないお経を繰り返し、祈りの動作を繰り返す。これってすごく「言語ゲーム」なんです。宗教の教え=規則を理解すること以上に訓練し習慣化させること。これによって「言語ゲーム」に深く引き込まれていく。 教えを理解することが重要ではなく習慣の先に悟りがある。これに対して哲学はたえずみずからをみずからの言語ゲームのメタ位置にたとうとする運動といえるかもしれません。しかしウィトゲンシュタイン的にいえばほんとにメタ位置は存在するのか、ということでしょう。なんらかの言語ゲームに帰属しないとコミュニケーションそのものが不可能で、それは習慣として深く刻まれている。 お経や呪文の重要なところは「リズム」です。それはある種の音楽。音楽は運動性であり、言語理解と異なる経路で体にしみ込み、刻まれる。反復することで訓練される。たとえば軍隊の訓練でもリズムが重視されます