東京・湾岸地帯の高層マンションの住民の多くは、2020年の東京五輪開催が決まった瞬間、色めき立ったに違いない。「我が家のマンション価格が高騰するに違いない」と。 だが、最初に結論を述べてしまっては元も子もないが、「湾岸マンションの不動産価格は期待が先行しているが、価格が高騰する根拠に乏しい」というのが私の見解だ。ここで言う「湾岸」は有明・晴海・勝どきの、橋を渡り運河を隔てたエリアを指す。 東京五輪が湾岸エリアにもたらすインフラは、スポーツ施設とバス専用レーンである。東京五輪では鉄道が整備されるわけでもない。商業施設などの生活利便施設も整備には時間がかかるであろう。そんな湾岸エリアが、上昇した不動産価格を五輪後も維持し続けるだけの根拠は今のところ乏しい。 価格上昇に鉄道は不可欠 特定エリアの不動産価格の上昇に大きく影響するのは「鉄道が通ること」である。バスでは価格は上がった試しがない。これは
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