今から45年前、田中角栄首相が打ち出した「日本列島改造論」によって、高速道路や高速鉄道などの建設ラッシュに日本中が沸いた。経済成長期という時代も相まって、公共事業にかかわる投資は右肩上がりに増えていく。ピーク時の1997年度には9兆7447億円の国家予算がついた。 ところが、1990年代初頭のバブル崩壊に端を発する景気低迷に加えて、2000年に入ってからは小泉純一郎内閣時の「小さな政府」を目指す構造改革などによって予算は年々減少。2016年度は5兆9737億円にまで落ち込んだ。 公共事業のピラミッドにおいて川下に位置する土木資材業界では、先行きが見えないとして、大手企業の子会社を中心に軒並み縮小。そうした中で踏ん張り続けたのが、独立系の前田工繊である。同社は、鉄やコンクリートが主流であった土木資材に、1970年代から繊維を広めたパイオニア的な企業である。 マーケットに踏ん張り続けた結果、ビ
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