洋服から靴へ。卸から小売りへ。『ABC-MART』の転換期とは 金丸:「ホーキンス」といえば、『ABC-MART』躍進の立役者ともいえます。C.W.ニコルさんのCMは非常に印象的でした。 野口:あのCMは、話題になりましたよね。弊社では1986年から「ホーキンス」の総代理店を務めていて、95年に商標権を取得しました。翌96年には、同じくアメリカのブランド「VANS」の商標も取って、徐々に洋服の卸から靴の卸へ比重を置くようになっていったんです。 金丸:でもその頃は、靴よりも洋服のほうが、まだ売上げは大きいですよね。 野口:そうですけど、洋服は競争が激しくて、粗利はそこまで高くありませんでした。洋服というのは、生産こそ難しくないのですが、アイデアやタイミングを間違えると、一気に在庫を抱えてしまいます。一方、靴は、生産自体が難しく新規参入も難しい。そこに勝機ありと考えたのです。 金丸:それで社内