【ロンドン=佐藤昌宏】英保守党のアンドリュー・ミッチェル下院院内幹事長(56)は19日、首相官邸を警備する警察官を侮辱したことが元で辞任した。 ミッチェル氏は、9月の内閣改造で国際開発相から横滑りしたばかり。 ミッチェル氏は9月19日夜、自転車に乗って首相官邸を出る際、警察官に車両専用の正門を開けるよう要求。警察官が歩行者用の門に誘導しようとしたところ、ミッチェル氏は激高し、「身分をわきまえろ」「平民」などと侮辱する発言をしたとされる。 問題視した警察側が、発言の中身を公表したことから、ミッチェル氏は連日、釈明に追われた。保守党が支持率で野党労働党に10ポイント以上引き離される中、キャメロン首相もかばいきれなかったものとみられる。階級社会の概念が今も強く残る英国では、今回のような発言も訴追の対象になり得る。