京都大学をはじめとする有名大学で、入学試験開始から間もない時間帯に入試問題がYahooの質問サイトに投稿されました。そしてすぐに誰かがその入試問題の解答を投稿しました。このインターネットを使った新しいタイプのカンニングに対してネットで大きな話題になりました。そしてテレビなどのマスメディアでも大々的に報道されました。 この問題に対して、僕はそんな騒ぐほどの問題かと冷めた目で見ていました。もっと報道するべき重要なニュースが多数あるのに、なぜこんなくだらないことをトップニュースで毎日扱うのかとうんざりしていたのです。確かにカンニングは不正ですが、バレたら、バレた人が合格点をとっても不合格になるだけで、それだけの問題です。大人に叱られれば済む程度の問題だし、そもそも僕の大学生活を思い出しても、日本の大学ではテストで単位をとるためのカンニングはありふれた出来事でした。大学側もたまに見せしめで捕まえて
逮捕されるまで 空白の2年7カ月の記録 [著]市橋達也[評者]佐々木俊尚(ジャーナリスト)[掲載]2011年2月27日著者:市橋 達也 出版社:幻冬舎 価格:¥ 1,365 ■「文学」に昇華した逃亡物語 罪を問われた者が国家権力から逃げ続けるという逃亡譚(たん)は、物語の大きなジャンルのひとつとなっている。19世紀の『レ・ミゼラブル』や『罪と罰』、アメリカのテレビドラマで映画にもなった『逃亡者』。日本でも吉村昭氏の『長英逃亡』など、この分野には傑作秀作が目白押しだ。 そういう潮流の中でとらえれば、本書も卓越した逃走譚の一つである。私たちが生きているこの平和な社会の薄皮を一枚めくれば、そこには社会の裏側で生きる人たちの蠢(うごめ)く別のレイヤーが現れてくる。殺人と強姦(ごうかん)致死で後に逮捕される市橋達也被告は、その一般人には不可視なレイヤーの中を旅し、自らを重労働に追いやり、時には狩猟
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