緊急提言2 最初にやるべきことを最初に この記事は、大前研一氏が『The Japan Times』に寄稿した緊急提言・第2弾『'Pumping station' or bust』のオリジナル原稿(英文)を日本語に訳したものです。 経営コンサルタント 大前 研一氏 2008年10月7日 先週わたしはこのコラム(※)で米国の金融危機について論じた。ポイントは二つ。第一に、不良資産の買い入れを眼目とするポールソン救済案は、この段階での優先事項ではない。まずやるべきは流動性を提供する仕掛け(ファシリティー)の導入である。第二に、流動性を補給する“ガソリンスタンド(給油所)”を用意しないと「オオカミの群」心理がまん延する。ガソリンスタンドがあれば、危機に瀕した金融機関が立ち寄り、資金流出の心配もなく傷んだバランスシートを回復することができる。ガソリンスタンドには、米国の金融機関のためだけでも5兆