30歳を節目に、山中達郎は過去と決別しようと考えた。 女にだらしなかった過去の自分を反省し、もう二度と軽率な行為はするまいと誓った。 デート相手には誠意を持って接し、身体の関係を持ったからといって、疎遠にしない。 相手が求めない限りは誘うこともせず、できるだけ性に対して潔癖であろうとした。 そうすることで、出会った女の人と親密な関係を築けるのだと達郎は信じていた。そして事実そうなった。 身体の関係を持った相手は必ず付き合うようにしたし、かつての自分と違い、付き合った相手に横柄な態度は取らなかった。 結果、相手の女の子も達郎を信頼し、深く愛するようになった。 しかし幸せは長くは続かない。 誰もが幸せな結末を信じて恋愛を始め、その大半は不幸な結果に終わる。 達郎も例外ではなかった。 ときには達郎がついうっかり浮気をしてしまい、それがバレてしまったこともあったし、好きだけど結婚することはできない