フランシーヌ・マルコヴィッツ著・小井戸光彦訳 (法政大学出版局) 過日夏休みの旅行ではじめてトリーアを訪れた。モーゼル川沿いにある葡萄畑に囲まれた静かな美しい町だ。そしてトリーアはいうまでもなくマルクスの生まれた町である(的場昭弘『トリーアの社会史』参照)。現在も生家が残っており小さな博物館になっている。ところでトリーアはローマ帝国初代皇帝のアウグストゥスが建設したドイツでもっとも古い町のひとつである。ポルタ・ニグラ(黒い門)や円形劇場(アンフィテアーター)、カイザーテルメン(大浴場)など古代ローマの遺跡が町のあちこちに残っている。それらを見ながら、幼いマルクスもこれらの古代遺跡を眺めながら成長していったのだろうと思った。同時に、そうしたトリーア時代のマルクスの古代体験が後の卒業論文「デモクリトスとエピクロスの自然哲学の差異」の一つの出発点になったのではないかとも考えた。マルクスにとって古
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