年間200人の経営者のリーダーシップ開発を手がけ、“経営者のかかりつけ医”の異名を持つ岡島悦子氏と、フレンチの世界で早くから頭角を現し、フランス芸術文化勲章を授与された松嶋啓介氏。 旧知の仲の2人が、松嶋氏の新刊『「食」から考える発想のヒント』(実業之日本社)を肴に、俯瞰した視点から現在の日本のビジネス界の問題点について語り合った。何が悪くて、どうしたら良くなるか。そこには“ルーツ”に遡る独自の方法論があった。 松嶋:よく会うのに、こうして対談するのは初めてですね。何から話しましょうか? 岡島:改めてイノベーションについて話したいと思っています。イノベーションは昨今、どの日本企業でも求められていますが、気をつけないと単なるプレゼンテーションに終わってしまう。 松嶋:岡島さんは大小さまざまな企業を面倒みていますよね。どれくらいあるんですか? 岡島:経営者でいうと200人くらいかな。時価総額3