テレビアニメ『涼宮すずみやハルヒの憂鬱』の放送が開始されたのは二〇〇六年四月のことです。つまり、私が「ハルヒ」と出逢ったあの衝撃から、もう十三年近い年月が経ったことになります。 私の運命を大きく変えたといっても決して過言ではない、ハルヒとの出逢い。 子役からスタートし、十四歳で声優を始めた私が、大学進学を機に本格的に声優業に取り組もうと決めたちょうどその頃、「こんなオーディションがあるんだけど、挑戦してみない?」と声をかけていただいたのが、すべての始まりでした。 資料として購入した原作小説の表紙の、愛らしいけれどなんだか生意気そうな女の子と、ちょっと不思議なタイトルに首を傾げつつページをめくってみて、読後の第一印象は「こんな女の子、出逢ったことない!」。 イラストの愛らしさに助けられる部分はありながらも、その傍若無人さといい、唯我独尊具合といい、こんな女性のキャラクターは今まで絶対にいなか
![【解説:平野 綾】ハルヒがくれた今 『涼宮ハルヒの暴走』 | カドブン](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/20294fdfed5abbf5d972cb0d02151524429323e7/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fstorage.kadobun.jp%2Fassets%2Fimages%2Freviews%2F5ce4fc9c41e1f.jpeg)