5区、7位でスタートした東洋大・柏原竜二は得意の山で区間記録を更新する快走。一気に首位を陥れた=1月2日、箱根・大平台(撮影・大橋純人) 86回の歴史を誇る箱根駅伝はことしも名物「山上り」の5区で大逆転劇が演じられた。高低差860メートル以上を駆け上る10区間最長の23・4キロ。首位と4分26秒差をひっくり返した東洋大の柏原竜二の激走は称賛するしかないが、全体の勝負に占める割合が山上りに偏重しすぎと疑問の声も出ている。 かつて花の2区で沸かせた早大の渡辺康幸監督は「山を爆走したチームがほぼ優勝」とエース区間の意義低下を嘆き、早大OBの瀬古利彦氏も冗談めかして「1〜4区はもういらないんじゃないの」。これに対し、東洋大の佐藤尚コーチは「“柏原包囲網”でまた区間変更したら不公平」と警戒した。 2006年大会から4区を短縮、5区を2・5キロ延ばした変更以降、5区で逆転しての往路優勝は5年連続。関東