世紀の発明を成し遂げるまで あらゆる生物の「ゲノム(DNAに書かれた全遺伝情報)」を自由自在に書き変える、驚異のゲノム編集技術「クリスパー(CRISPR)」。それは医学、製薬、農業、バイオなど、人類の存立に関わる様々な分野で、史上空前の産業革命を引き起こすと見られている。 この画期的技術の発明者として知られる3名の科学者の一人、フランス出身のエマニュエル・シャルパンティエ(Emmanuelle Charpentier)博士は、その功績が認められ、昨年、世界的に有名な独マックス・プランク感染生物学研究所の所長にまで上り詰めた。 が、現在の誉れ高いポジションを獲得するまでに、彼女は5つの国を跨いで9つの研究機関を渡り歩き、その間の大半において、いわゆる「ポスドク(postdoc:博士課程修了後に任期制の職についている研究者)」として、経済的には「その日暮らし」を強いられるほどの乏しい給与と不安
![天才科学者をも苦しめる「ポスドク問題」のリアル(小林 雅一) @gendai_biz](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/4902183b490580c06ea1ccc912271d0645a247df/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fgendai-m.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2F9%2Fa%2F1200m%2Fimg_9a9f23e8a4cc3ba3f3d208a0df121841265503.jpg)