就任からおよそ3年が過ぎ、集大成となるW杯を控えた今、日本代表の指揮官は何を感じ、何を考えているだろうか。同胞であるボスニア・ヘルツェゴヴィナ人記者の視点から、ヴァイッド・ハリルホジッチという人間に焦点を当てる。 文=サシャ・イブルーリュ 翻訳=加藤富美 写真=アフロ、ゲッティ イメージズ ひたすら灰色が広がる巨大な大通りの周囲には、19世紀末に建てられたゴシック風の陰気なホテルが並ぶ。セルビア共和国の首都、ベオグラードの中心部にあるテラジエ広場に立つと、まるで前世紀のまま時間が止まっているような気がする。この広場は1992年に消滅した国家、ユーゴスラヴィアの中心地であり、最も重要な場所だった。 1989年まで続いた東西冷戦の時代、バルカン半島の中部を占めたユーゴスラヴィアは、西ヨーロッパと東ヨーロッパの間に存在する目に見えない境界線であり続けた。この連邦国家は6つの共和国によって構成され
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