電子化された学術書を読む慶応義塾大の五十嵐功さん=横浜市港北区慶応義塾大が開いた実験システムの展示には、出版社やシステム開発会社の関係者らが参加した=2010年10月6日、東京都港区学術書の電子書籍を利用できる図書館のイメージ 日本語の学術書の電子化に向けた動きが、各地の大学で始まっている。英語の学術書や論文はインターネットを通じて読むことが当たり前になる中、日本語は大半が紙。電子化すれば、図書館に行かなくてもいつでもどこからでも閲覧が可能になる。電子書籍を充実させる「電子図書館」に出版社も関心を寄せる。 ◆すぐ読めて便利 慶応義塾大理工学部1年の五十嵐功さん(19)がiPadを操作すると、画面に本棚が現れた。「学問のすすめ 第一巻」(慶応義塾大学出版会)や「制度資本の経済学」(東京大学出版会)などが並ぶ。 いずれも大学から提供された電子書籍だ。「しおりの機能もあるし、文字を打ち込ん