日本でのウルセランス菌の患者 猫から人にうつり呼吸困難を引き起こす新しい病気にかかる人がここ数年、相次いでいる。世界初の患者を報告した英国では死者も出ている。日本では届け出義務はなく、医師や獣医師でさえほとんど知らない。厚生労働省は潜在患者は多いとみて、先月22日に都道府県などに注意を呼びかける文書を出した。 今年1月、東京に住む50代の女性が、食事ができないほどのどが痛く、血の混じった鼻水が止まらなくなり、東京医科歯科大病院耳鼻科を受診した。診察すると、のどと鼻の奥に黄白色の塊がべっとりとこびりついていた。 この塊から、コリネバクテリウム・ウルセランスという細菌が見つかった。感染症法で2類感染症に指定されているジフテリアと同じ毒素を作る菌で、風邪症状に始まり、重症になると呼吸困難に陥り、死ぬこともある。 大学から連絡を受けた国立感染症研究所が調査し、この女性の家にしばしば立ち寄る