「下を向いて、のっぺりとしたガラスの画面をこすって歩く姿が、はたして最終形なのだろうか?」 グーグルの共同創業者で技術部門担当社長を務めるセルゲイ・ブリン氏は、今年2月に開かれたプレゼンテーションイベント「TED2013」の壇上で、自分のスマートフォン(スマホ)の画面をのぞき込みながらこう話した。 「この姿勢が『グーグルグラス』のプロジェクトを始める理由の一つとなった」 グーグルグラスというのは、グーグルが開発を進めているメガネ型の情報機器。実際に目で見ている風景にコンピュータ情報を重ね合わせる「拡張現実(AR)」と呼ばれる技術を活用して、ウェブ検索やカメラ撮影、通話やチャットといったスマホでできる機能を、完全ハンズフリーで操作できる。 ブリン氏の言葉からわかる通り、まさに「スマホの次」に位置づけられる製品だ。 かつてマイクロソフトの創業者ビル・ゲイツ氏は「すべてのリビングルームにPCを」