「脱原発」は菅直人首相の「思い」であって、政府・与党の方針とは別--。菅首相の脱原発会見から一夜明けた14日、政府・与党内からは当面のエネルギー政策への影響を否定する発言が相次いだ。議論もなしに国策の大転換を打ち出した首相の「独走」には首相周辺からも「勝手に言わせておくしかない」と突き放す声が漏れる。「本格的な議論は次期政権で」というのが首相以外の共通認識となりつつある中、首相は原発の再稼働延期や「埋蔵電力」の発掘で実績づくりを狙う。【野原大輔、宮島寛、中井正裕】 「遠い将来の希望について首相の思いを語られた」。枝野幸男官房長官は14日の記者会見で、「原発に依存しない社会を目指す」との首相発言は政府方針ではなく、首相の個人的な「思い」との見解を示した。海江田万里経済産業相も衆院東日本大震災復興特別委員会で「将来のエネルギー電力供給の方向性として示された」と用意した紙を読み上げた。 民主党の