23日の沖縄全戦没者追悼式で朗読された宮古高校3年生の仲間友佑さんの詩「これから」の全文です。 「これから」 短い命を知ってか知らずか 蝉が懸命に鳴いている 冬を知らない叫びの中で 僕はまた天を仰いだ あの日から七十九年の月日が 流れたという 今年十八になった僕の 祖父母も戦後生まれだ それだけの時が 流れたというのに あの日 短い命を知るはずもなく 少年少女たちは 誰かが始めた争いで 大きな未来とともに散って逝った 大切な人は突然 誰かが始めた争いで 夏の初めにいなくなった 泣く我が子を殺すしかなかった 一家で死ぬしかなかった 誰かが始めた争いで 常緑の島は色を失くした 誰のための誰の戦争なのだろう 会いたい、帰りたい 話したい、笑いたい そういくら繰り返そうと 誰かが始めた争いが そのすべてを奪い去る 心に落ちた 暗い暗い闇はあの戦争の副作用だ 微かな光さえも届かぬような 絶望すらもな