日本生命倫理学会第25回年次大会の25周年記念シンポジウム「低線量被曝と生命倫理」における、加藤尚武の発言を考察する。 福島第一原発の事故をめぐり、人びとの命と健康が脅かされている。このとき加藤尚武氏は、哲学的な手法で話題をすり替え、問い掛けを無みし、事柄のもみ消しを図った。その語りの技を解剖する。あちこちで行なわれた、これからも続くであろう権威者・専門家の誤魔化しへの免疫をもたらすべく、ここに公開する。 日本生命倫理学会第25回年次大会(<大会テーマ>死生学と生命倫理)の大会企画/25周年記念シンポジウム「低線量被曝と生命倫理」における、加藤尚武の発言を考察する。平成25年12月1日(日)10:40-12:10に東京大学本郷キャンパス法文1号館25教室にて行なわれ、平土間の参加者は私の目視・概算で百五十人ほど。すれ違いか褒めあいに終わりがちなこの手の企画だが、この度の加藤は、島薗の言挙げ