機械に言葉をしゃべらせて会話することは人類にとって長年の夢だった。いま、インターネットの普及とAI(人工知能)の進化によって、夢の扉が開こうとしている。実現すれば、私たちはどのような未来を手にするのだろうか? 技術ジャーナリスト、ジェイムズ・ブラホスの新刊『アレクサvsシリ ボイスコンピューティングの未来』より、音声AIの功罪を含む近未来予測を全3回にわけてお伝えする。第1回。(JBpress) (※)本稿は『アレクサvsシリ ボイスコンピューティングの未来』(ジェイムズ・ブラホス著、野中香方子訳、日経BP)の一部を抜粋・再編集したものです。 「見つけてもらう時代」の終わり どのような疑問にも答えられるAI賢者(対話型AI)は、ユーザーにとってはとても便利だ。しかし、従来型のウェブ検索で利益を得ていたビジネスや広告主、作家、出版社、巨大ハイテク企業の心情は、率直に言って複雑だ。衝撃を受ける