中村拓磨(ZOZO Research) はじめにKDDやICCVといった名だたる国際会議において,ファッション関連技術を扱うワークショップが開催されるようになりました.ここ数年でファッションに対する認識技術への関心は大きくなっていることが伺えます. ファッションというドメインは,研究対象としては敬遠されてきたかと思います.多様性や主観を多分に含むことは原因のひとつですが,最近は状況が変わりつつあります.深層学習ブーム以降の他のドメインと同様,認識技術の高度化・データセットの充実・産業界の需要の増加などの要因で研究事例の数も増加傾向にあります. 環境の変化もさることながら,ファッションという現象自体も実に多様な研究テーマを内包しています.例えば,以下のように分解してみました. – 視覚的な印象やデザイン: 画像認識– 特定の衣服の流行・トレンド: 時系列解析– 衣服のコーディネート: 組合せ