訪日外国人客数が回復する中、航空需要が急回復している関西国際空港では、手荷物検査など保安検査での混雑が常態化しつつある。保安検査員や乗客の案内スタッフらの人手不足が大きな要因で、関空は人工知能(AI)を活用した手荷物検査や、検査場への自動化ゲート導入など機械化で対応を急いでいる。2025年大阪・関西万博まで1年余りに迫る中、対策が急がれる。 需要に追いつかず中華圏の旧正月「春節」でにぎわう2月中旬。関空第1ターミナル国際線の保安検査場前には長蛇の列ができ、男性係員が「ここから40分待ちです」と案内していた。ただ、世界中で長期休暇が重なる年末年始はこれ以上の混雑だったといい、昨年12月のドイツ旅行の際に保安検査で1時間待たされたという奈良県香芝市の男性(66)は「到着前に疲れ果ててしまう」とうんざりした様子だった。 ここ数年の新型コロナウイルス禍で保安検査など空港業務を請け負う民間事業者は採