相馬野馬追に出陣する馬の9割ほどが元競走馬だ。つまり、この祭は、引退した競走馬が「第2の馬生」を歩むうえで、非常に大きな受け皿となっているのである。 今年もたくさんの元競走馬が、新たな役目を懸命にこなす姿を見ることができた。なかには、「あの馬はここにいたのか!」と話題になり、ツイッターのトレンドワードになった馬もいた。 まずは、土曜日の御発輿(ごはつよ)の行列で出会った馬たちから。 各騎馬会の馬の到着を雲雀ヶ原祭場地前で待っていると、中ノ郷騎馬の佐藤弘典さんが声をかけてくれた。騎乗しているのはハギノグラミー(牡12歳、父タニノギムレット、中央12戦0勝、地方3戦1勝)だ。佐藤さんはかつて大山ヒルズのキッチンマネージャーをつとめていた。また、乗馬のインストラクターの資格も持っているので、入ったばかりの若手に馬乗りを教える役割も担っていたという。ハギノグラミーは、現在、佐藤さん自身が所有して繋