文 大木 亜希子 誰かの「やめた」ことに焦点を当てるシリーズ企画「わたしがやめたこと」。今回は、ライターの大木亜希子さんに寄稿いただきました。 大木さんがやめたのは「誕生日にこだわること」。 もともと「誕生日は誰かに祝ってもらえなければ価値がない」とさえ思っていたという大木さん。しかし、ふとしたことから今年は母親と過ごすことを思いつき、実行したところ気持ちが楽になったといいます。 呪縛から逃れるきっかけになった大木さんの誕生日体験について、つづっていただきました。 *** 少し前までの私は、誕生日に誰かにお祝いしてもらえなければ、自分には価値がないと思っていた。 自分一人では泊まれないような高級ホテルで過ごしたり、高級レストランでバースデープレート片手に祝ってもらったり。それこそが「理想の誕生日である」と思い込んでいた。そして、みんなが憧れるような異性に盛大にお祝いしてもらうことで、自分は