参院決算委員会で、立憲民主党の村田享子氏の質問を聞く岸田文雄首相=国会内で2024年6月10日午後2時52分、平田明浩撮影 自民党が今国会での憲法改正原案の提出を断念する見通しとなり、岸田文雄首相が9月末までの党総裁任期中に憲法改正を実現するのは事実上、不可能になった。支持率低迷に苦しむ政権にとって「改憲カード」は打開策になる可能性があっただけに、今後の政権運営の見直しを迫られるのは必至だ。 「時間的制約があることは事実であります。事実でありますが、一歩でも議論を前に進めるべく党として最大限の努力をしていく方針。これは全く変わりがないと思っています」 10日の参院決算委員会。首相は日本維新の会の清水貴之氏から改憲への意気込みを問われ、苦しい胸のうちをのぞかせた。 自民は2018年、憲法改正で盛り込む条項として①自衛隊の明記②緊急事態対応③参院の合区解消④教育充実――の4項目をまとめた。 こ