緊急事態宣言は解除されたものの、新型コロナウイルスの新たな感染者の確認が相次いでいた6月。医師たちは、別の戦いに奔走していた。 「日本医師会」の会長選挙。 現職の会長と、それを支えてきた副会長による一騎打ちの選挙戦は、日に日に激しさを増す大接戦に。なぜ、こんな時期に、そこまで争うのか? 「白い巨塔」を舞台に繰り広げられたガチンコ選挙の一部始終を報告する。 (小泉知世) 「日本医師会」その力 「日本医師会」は、全国の開業医や勤務医およそ17万人が加入する公益社団法人だ。大正5年に設立された前身の「大日本医師会」から数えて100年以上の歴史を持つ。 その影響力は医療関係の業界にとどまらず、政治にも及ぶ。 医師会の政治団体である「日本医師連盟」は、自民党を中心に、与野党に対して、おととし5億円近くを献金している。加えて、自民党には、組織が全面支援した国会議員2人を送り込んでいる。 文字通り、日本
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