ノンフィクション作家。著書に『選べなかった命 出生前診断の誤診で生まれた子』(大宅壮一ノンフィクション賞受賞)など。現在、東京大学大学院で生命倫理を学ぶ。近著は『分水嶺 ドキュメント コロナ対策専門家会議』。 ワクチンや感染で中和抗体は作られるが、同時に、ウイルスと細胞の結合を促進させ、中和抗体の働きを弱めて感染を増強させる抗体も作られていることが、新型コロナウイルスの研究で明らかになった。ワクチンはかえって重症化させるのではと不安になるが、一定数以上の中和抗体があれば感染増強抗体は作用しないので、心配無用という。中和抗体と感染増強抗体がどう作用し合うのか——今後の研究が注目されている。 大阪大学微生物病研究所免疫化学分野教授 荒瀬 尚(あらせ・ひさし) 1990年、北海道大学医学部医学科卒業後、同大大学院博士課程に進学。カリフォルニア大学サンフランシスコ校研究員、大阪大学微生物病研究所免
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