『13歳からの論理ノート』(小野田博一、PHP研究所)という本を最近読みました。論理的に考えるためのポイントが明快に書かれており、たいへん役に立つ本だったのですが、特に印象深かったのは以下の部分。「日常的に見られる変な論理は、多くの場合、隠されている前提が変なのだ」という趣旨の話の一部分です。 省略されるものは「当然のこと」だけではありません。 当然ではないにもかかわらず前提が省略されるとき――それはどんなときでしょう? それはごまかすときです。読み手・聞き手にとって当然でない前提は、明言すると、それが怪しい前提(読み手・書き手の同意が得られない前提)であることがバレてしまうため、それは隠される(明言されない)のです。 このタイプの省略は、意識的に行われもし、無意識に行われもします(無意識のことが多いでしょう)。 このタイプの省略の典型例を挙げましょう。 【例】 「歩きタバコは不快である。