ギター侍、ハードゲイ、小島よしお……。「一発屋」とよばれ、1年サイクルで現れては消えるお笑い芸人たち。その一方で、ビートたけし、明石家さんま、とんねるずなど、お笑いの世界を超越し、多方面で才能を発揮して輝き続けるものもいる。 昭和から平成にかけ、お笑い芸人の思考や行動はどう変わったか。テレビ局や芸能プロダクションのスタッフ、観客や視聴者はその変化にどう対応したのか。現代のお笑いを、まるで学者が井原西鶴やシェークスピアを分析するように、歴史的、学術的に斬って見せたのが本書である。 著者のラサール石井氏は、1980年代の漫才ブームを、コント赤信号というお笑いグループのメンバーとして迎えた。ラサール高校卒(大学は早稲田)という芸能界ではめずらしい学歴が売りとなり、ピン芸人としてもクイズ番組などで知性派タレントとして活躍している。 本書は大きく二つに分かれている。第1章「コント赤信号で見たお笑い界
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