ノベルゲームという表現媒体の最大の特徴の一つに、ルート分岐によって複数の可能性を描写することができる点がある。この複数ルートをいかに上手く利用して、 互いに関連させ厚みのある物語を組み立てるかは創り手の腕の見せ所である。 ここでは、どのようなパターンがこれまで試されてきたか、その特徴とともに解説する。 拡散型 スタートを共通とする複数の物語を束ねたタイプ。 序盤の選択肢によりルート分岐を行い、ルート間は互いに関連が薄く、 ルート間で物語上の重要度の差が小さく、ゲーム上も順番指定等のルート間の差を持たないのが標準形である。 このタイプでは、ルート間での協同効果が無きに等しいため、 作品全体の質は各ルートの単純な足し算でほぼ決まる。 そのため、良い作品にするには大量の制作資源を投入する必要があり、 効率的ではない。 その代わり、このタイプはプレイヤーの自由度が最も高い。 好きな順番でプレイする