キュレネ派(またはキレネ派, 英: Cyrenaics)とは、紀元前4世紀・ヘレニズム期に起こった極端な快楽主義哲学の学派。小ソクラテス学派の一つ。アリスティッポスまたは同名の孫(小アリスティッポス(英語版))が作った。その名前は、アリスティッポスの出生地である北アフリカのキュレネに由来する。 キュレネ派は、快楽こそ最高の善であると主張した。ここで言う快楽とは主として肉体の満足という意味の快楽で、それは精神的な快楽以上に強く、また選択の価値があるものと考えた。さらにキュレネ派は、快楽を長く保つために当面の快楽を先延ばしにすることを否定した。こうした点において、キュレネ派はエピクロス派とは異なる。 キュレネ派はまた認識に対する懐疑主義的な理論でも知られている。キュレネ派は、人間は確実に当面の感覚=経験を得ることはできるが、その感覚を引き起こす対象の本質については何もわからないと考える(たとえ