学習パターンがいかにしてつくられたのかを語るにあたり、今回は、学習パターンの作成に至る経緯を紹介したい。 学生の学びの支援のために「パターン・ランゲージ」を用いる、というのは井庭 崇(慶應義塾大学総合政策学部専任講師)の発案である。当時カリキュラム委員であった井庭は、学生の履修のナビゲーションの仕組みをつくる担当だった。ここで、なぜ学習パターンのような新しいタイプの支援が必要だと考えたのかは、SFCのカリキュラムの特徴に密接に関係している。 最終的に出来上がった「学習パターン」はSFC外にも通用する一般的なものになったが、パターン・マイニングとパターン・ライティングのプロセスを振り返ると、SFCという具体的な対象を想定したという点は非常に重要なことだと思われる。そこで、以下では、SFCカリキュラムの特徴について説明しておくことにしたい。キーワードとなるのは、「研究プロジェクト中心」と「学年